ケアしケアされ、生きていく

著者名 竹端寛
出版社 ちくまプリマ―新書
コメント

父親になり、妻や娘との関係性に向き合うことで、自分には関係ないと思っていた“ケアとは何か”を問い直した著者。社会学者の視点で、日本社会にはびこる「他人に迷惑かけてはいけない」という考えが、自身が捉われていた「他人と競い合って努力しないと報われない」という能力主義や、社会の抑圧と繋がっていることを発見していく過程が興味深い。

理不尽な環境でも「しゃあない」とあきらめ我慢する世界を“ケアレスな世界”とし、共に思い合い、自分のありのままを大切にしながら、お互いがケアしケアされる社会を目指す、未来への提言。