世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦

著者名 ブルーシープ、板橋区立美術館
出版社 ブルーシープ
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「夜の木」という絵本をご存知でしょうか。『ふかふかの手漉きの紙に、絵や文字をシルクスクリーンで印刷し、1冊ずつ手製本で仕上げられたその本は、思わず手に取らずにはいられない独創性と美しさを備えている』のだそうです。ぜひとも「見たい!触ってみたい!」と思うのですが、ハンドメイドのため、発注から納品まで1年もかかることもあるほどのスローな生産スピード、一度にたくさん納品されないのですぐに在庫切れとなってしまうそうなのです。

この「夜の木」を始めとするハンドメイドの絵本を作っているのが、南インドの小さな出版社、「タラブックス」です。絵本の画の多くは、インド各地の少数民族たちが描いたものです。「タラブックス」は、ハンドメイドの絵本以外にも教育や芸術などのジャンルでも多くの本を出版しています。

さて、この「世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦」というのは、2017年12月に東京都の板橋区立美術館で開催された同名の展覧会の公式図録です。代表的な本の解説、画家たちの制作風景や印刷工房の様子、インドの街の風景などがたくさんの美しい写真と共に紹介されています。巻末のロングインタビューでは、代表者の2人の女性が、タラブックスの成り立ちから本作りの哲学、会社の組織論などについても語っています。

写真が美しいだけでなく、民族文化の継承、会社の在り方についてなど、深く考えさせられます。